『オオカミの護符』 ~里びと と 山びとのあわいに~
◆ 文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞 受賞 ◆
◆ アースビジョン第17回地球環境映像祭 アースビジョン賞 受賞 ◆
◆ 日本映画ペンクラブ 推薦 ◆
「オオカミの護符」に導かれ、“お山”の世界へ…。
都心からほど近い、川崎市宮前区土橋の古い土蔵の扉に貼られた一枚の護符。この護符には、土地の人が「お狗(いぬ)さま」と呼ぶ獣が描かれています。
私たちは、この護符がもたらされる「土橋御嶽講(つちはし みたけこう)」を取材する中から、土橋、馬絹(まぎぬ)、武蔵御嶽山、東京都調布市、埼玉県三芳町、そして秩父と、「オオカミの護符」に導かれ、関東各地の土地に根ざして暮らすお百姓の姿に出会いました。
そして、護符が関東平野を取り巻く山々で発行されていること、また護符に描かれている獣が、かつてその山々で生きたヤマイヌ、ニホンオオカミであることを知り、これらの動物と深く関わりを持って暮らしてきた山の人々と出会うことができました。
めぐり合ったお百姓の風貌や語りぶりには、その土地が湛えている、“時の流れ”や“風合い”が息づいていると感じました。その身に風土を刻み込んできた人たちの確かな存在感が、聞き手の私たちを包み込み、「いつまでもその場に身を置いていたい」 そんな気持ちになりました。
人の心の芯に宿る、やわらかな熾火(おきび)のようなぬくもり。
地に着いたお百姓が身に宿してきた温かな力が「オオカミの護符」を今に生き継がせているのではないかと思います。この映画に映し出された人々の、“土に根ざした暮らしの姿”が醸し出すほのかな温もりは、私たちの行く手を照らしてくれるものではないでしょうか。
監 督 由井 英

