寄せされたお言葉

寄せられた お言葉

これまでの上映を通じ、寄せられたコメントやご感想を、いくつかご紹介させていただきます。
これからも、頂いたお言葉を随時、掲載いたします。

映画に頂戴したコメント

姫田 忠義 さん (民族文化映像研究所 所長) WEBサイト

野生の狼が日本列島にいなくなってから、まだ百年ほどしか経っていない。
のに、私たちは忘れてしまった。
オオカミという野生のいのちの存在も、それが伝えてくれる、山、大自然のメッセージも。
「オオカミの護符」は、その大自然からのメッセージを受けとる伝統文化である。
人々は、それを受けに山に向かう。

フフバートル さん (昭和女子大学人間社会学部准教授)

おいぬさま、ヤマイヌ。特殊な存在であるオオカミを「いぬ」と呼ぶ。肩甲骨を焼いて占いをする。山を信仰する。どれもが故郷のモンゴルのことを思いださせた。栄えた大都会のイメージが強い日本も自然にもどればモンゴルに近いのか。
自然を共生の場にすれば力を合わせて生きるという人間生活の原点をこの映画で再認識した。

杤原 嗣雄 さん (宝登山神社 谷ツ平講 講元)

毎年宝登山神社や三峯神社に講中として「お犬様」を借りに、「お犬替え」と称し登拝しています。一年間家内安全をお守りいただけるので安心して生活ができます。
秩父でお犬様(オオカミ)の護符を出している所は十指に余る程盛んでした。三峯神社の史料に宝暦四(1754)年、猪鹿除・盗賊除として「御犬御拝借」といった村役人の願書があります。このころから広範囲に庶民の信仰として生き続けています。

田中 優子 さん (江戸学者/法政大学社会学部 教授) WEBサイト

過去は過ぎ去らない。まなざしを向ければ必ず出会える、と私は考えてきた。
『オオカミの護符』で、私はそれがすぐ手の届く所にあること、この都会の真ん中にその世界の入り口が待っていることに驚き、感動しながら呆然としてしまった。
人が地に足をつけて自然とともに生きていた証が、はっきりと見える映画だ。

内山 節 さん (哲学者) WEBサイト

関東の里に暮らした百姓たちを、この映画は、武蔵の国という雄大な自然のなかでとらえかえした。
ご神体としての山々から「オオカミの護符」が降りてくる。
山、川、里をつなぐ世界にみえてくるのは、過去、現在、未来の結びつき。

平川 南 さん (国立歴史民俗博物館 館長 / 山梨県立博物館 館長)

かつて畏怖の対象であり、害獣から作物を守ってくれる尊い生き物でもあったオオカミ。
姿を消して1世紀以上経た今も、信仰を通じて山人と里人をつなぐ偉大な存在。
本作品は我々が失ったものの大きさについて深く考えさせてくれます。

上映会を通じて頂いたご感想

姫田 忠義 さん (民族文化映像研究所 所長) WEBサイト

狼は、日本では大正時代に絶滅したとされる。
そしてそれは、ひたすら恐ろしい動物だという説が一般的に流布されている。
が、果たしてそうであろうか。
「オオカミの護符」と題した本記録映像作品を見た人は、どう思われるだろうか…。(後略)

こちらに全文掲載しております。

清塚 信也 さん (ピアニスト)
オフィシャルBlog
ポレポレ東中野トークゲスト

 東京の西の方を舞台に繰り広げられていく、ささやかな信仰心と人々の自然に対する感謝から生まれた物語。
 由井監督もお話されていましたが、音楽や映画などの「表現」という世界は、この「信仰心」や「感謝」から生まれたのだと感じさせられました。
まさに、表現の原点と言うべき姿がそこにはあり、現代でも青梅や三峰などで行われている密やかな儀式からは、「芸術性」さえも感じ取る事が出来ました。
 僕は東京に住んでいながらこのオオカミの護符の存在を初めて知り、今でもその信仰や儀式があるという事に驚きました…。(後略)

こちらに全文掲載しております。

佐藤 英之 さん (Niche [ニッチ] 編集者) 批評社 WEBサイト

映画 『オオカミの護符』に投影された人びとの絆
自然へのひたむきな眼差しは、共生へと向かえるか

(前略)… いま、理念としての自由と生活としての自由をどこでどう折り合いをつけるのか、地球規模でこの難問を突き付けられている現在、映画「オオカミの護符」は、いま一度、都市社会の生活を振り返って考えることを、私たちに問いかけているように見える…。(後略)

こちらに全文掲載しております。

秋山 茂 さん (元映倫外画審査員/シネマ夢倶楽部推薦委員)

 農林業を営む人々は自然を敬う生態系の一員として暮らしてきた。農家にとって野生哺乳類の頂点に立つニホンオオカミの存在は、作物の害獣を駆除してくれる<大神サマ>であった。<お狗さま>として崇め信仰してきたお百姓さんたちの真摯な姿、隠れたる歴史に迫った万人必見のドキュメンタリーである。
 いまや埋もれつつある伝統文化に着目、見事に実らせた製作責任者の小倉美恵子、監督の由井英両氏ほかの方々に対して満腔の敬意を表したい。

(東京新聞夕刊 シネマ21プラス より 財団法人日本ファッション協会)

岡野 薫子 さん (童話作家 / 画家)

 今どき、こんな映画に取り組んでいる人がいる― という驚き。本当の信仰とは、この映画に登場する人たちの心をいうのだと思います。
 カメラの美しさ。竹林でのタケノコ堀りの場面、供え物の赤飯の小豆の輝き。空。人々の表情の飾らない清澄な美しさは今も目に残っています。気負わず、飾り気のない映画の流れに、気持ちよく心をゆだねることができました。
 “自然に生きる”というテーマをこんな自然な形で表せることにも改めて気がつきました。

飯島 聡子 さん (神奈川県横浜市 在住)

 新聞で記事を読み、興味があって戸塚から来ました。日本で絶滅したとされるオオカミへの信仰。それが現代にも息づいているという記事内容が魅力的で宮前にも初めて、土橋も初めて、もちろん護符の存在も初めて知りました。でも来た甲斐がありました。

 “わざわざ夜、雨の中ひとりで、乗ったこともない高速を運転し、幼い子ふたりを連れて、もし期待したものでなかったらどうしよう・・・”と不安に思っていたもので・・・(苦笑)。 スミマセン。

こちらに全文掲載しております。

熊谷 裕一 さん (東京都武蔵野市 在住)

 (前略)・・・真に幸せな社会とは何なのかという問いかけは、今こそ大至急に考えなければならない課題です。

 小泉八雲が晩年「霊的な存在が薄れた不幸な時代」を嘆いたように、自然への畏怖はすなわち、人間のおごりへの警鐘であり、たかが人間の中で、優劣、貧富を競う社会の無意味さを問うのと同義であるような気がします。

こちらに全文掲載しております。

四宮 鉄男 さん (映画監督) =四宮さんのWEBサイトはこちらから=

 (前略)・・・物語は展開していくのに、どこにも収斂していく場所がなかった。

 そうした事実や、そうした歴史が、映画を見ているわたしの今と、なかなか交錯したり交流したりしていかないのだ。民俗学の研究者や、研究者じゃなくても民俗学に興味がある人にとっては宝の山のような映画なのかもしれない。しかし、勉強嫌いの観客であるわたしには、映画の現実を、わたしの今を生きている現実へとなかなか手繰り寄せられないでいた。・・・(後略)

(※映画の筋に深く触れている箇所があります。まだ映画をご覧になっておらず、全文を読まれる方は予めご了承ください。)

こちらに全文掲載しております。

峯岸 英雄 さん (日本近代文学研究家)

 今年の三月、興味深い映画が神奈川県川崎市で上映された。タイトルは、「オオカミの護符」。今も残る「御嶽講」と呼ばれる信仰行事を東京都下御嶽山(武蔵御嶽山)や東京調布、埼玉県秩父に残る「狗(おいぬ)さま」と呼ぶ獣(ニホンオオカミ)が描かれた護符を巡りながら、農村、農家と山(岳)との「信仰」の歴史を通した関連性を見事に表現したドキュメント。同映画は日本の山岳信仰というものが今日もなお生き続けていることだけでなく「自然と人生」というものが普遍的であることを証明している。

(「公評」2008年6月号 特集テーマ「感激」より)

渡部 実 さん (映画評論家)

 (前略)・・・取材は冒頭から実写や航空写真によって現在の土橋と60年前の土橋を比較し、その違いを比べるところから始まるが、この映画の注目すべき点は、取材がお札の存在をめぐって土橋、馬絹、武蔵御嶽山、東京都調布市、埼玉県三芳、秩父といった各地にまで領域が広がり、一口にお札といってもそれこそ、地域によって様々な個性ある神事、行事から由来していることを丁寧な映像記録から捉えていることである。・・・(後略)

(「キネマ旬報」 2008年7月下旬号より)

こちらに全文掲載しております。

『オオカミの護符』 支援団体

オオカミの護符チラシ2.jpg


製作・配給: (株)ささらプロダクション

共同製作: (株)環境テレビトラスト 
    「オオカミの護符」製作委員会

支援: 文化庁

後援: 川崎市・川崎市教育委員会

協賛: セレサ川崎農業協同組合
    土橋町内会
    (有)有劦設計
    (株)サメジマコーポーレーション
    (有)大倉商事

協力: 宮前区観光協会
    たまフォーラム
    川崎土橋郵便局
    東京急行電鉄株式会社

制作協力: グループ現代
       民族文化映像研究所

撮影協力: 土橋御嶽講中
       馬絹御嶽講中
       寶登神社氏子中

       武蔵御嶽神社
       寶登山神社
       猪狩神社
       三峯神社

       国立歴史民俗博物館
       青梅市郷土博物館
       川崎市立土橋小学校
       たましん地域文化財団
       武州御嶽山御師家
         古文書学術調査団
    (法政大学/青梅市教育委員会)
        宮前平ハイデンス
        コトー宮前平

ス タ ッ フ

監督: 由井 英

製作: 小倉 美惠子  小泉修吉

撮影: 伊藤碩男     由井  英

音声: 河合樹香

助監督: 中嶋美紀

音楽: 姜 小青(中国古箏)
    千島幸明(篠笛)

ナレーター: 糸 博

語り: 小倉 美惠子

題字: 永田 紗戀

版画: 小林 奈那

編集/録音: アクエリアム

上映スタッフ: 吉江 志づか 大江純恵

デザイン: 熊澤正人+内村佳奈
        (POWER HOUSE)
     岩井友子

DVDのご購入はこちらから

『オオカミの護符』 上映情報!

上映会の情報はこちらから ↓ もちろん映写機です!.png

次回作のお知らせ!

「オオカミの護符」に続き、ささらプロダクション第2作目「宮前の講(仮題)」を財団法人トヨタ財団の助成を受け、現在、制作中。
 詳細はブログに載せますのでご覧ください。